CFDとはContract For Differenceの頭文字を取ったもので、日本語訳は、「差金決済契約」。1990年代のイギリスが発祥で、もともとは機関投資家などが運用する際、保有ポートフォリオのリスクヘッジ目的で用いるようになったという。それが徐々に一般投資家にも解禁されるようになり、数年前から日本でも導入する業者が増えてきた。

差金決済とは、取引の担保として少額の証拠金を預け、売買の価格差のみを授受する取引のことだ。たとえば、1000円で買ったものを1500円で売却するとする。現物の取引であれば1000円を払って1500円を受け取ることになるが、差金決済の場合は証拠金として、たとえば100円を預けるだけで、1000円すべてを払い込む必要はない。そして、1000円で買って1500円で売った場合は、その差額である500円のみを受け取る形になる。

この差金決済の仕組みは、FX(外国為替証拠金取引)と同じ。FXの仕組みがわかっていれば、商品内容を理解するのはさほど難儀なことではないだろう。

取引に際して、レバレッジがかけられるのもFXと同じ。最大で20倍(ひまわり証券)~200倍(CMCマーケットジャパン)と倍率は取扱会社によって異なるが、むろん、レバレッジが高くなるほどリスクの度合いも増す。その分だけ高いリターンも期待できるとはいえ、初めて取引するなら、まずは低レバレッジでトレードに慣れることから始めるほうが無難である。

FXと異なる点もいくつかある。FXがあくまで為替のみの取引なのに対し、CFDは、世界中のさまざまな株の個別銘柄、株価指数、債券先物、ETF(上場投資信託)、原油や金などのコモディティ(商品)、通貨など、さまざまな金融商品に投資できるのが特徴だ。比較的早い時期からCFDを扱ってきたひまわり証券では、実に5000種類もの投資対象を扱っている。また、オリックス証券のように、「VIX指数(マーケットに不安心理が高まったときに大きく上昇するため恐怖指数とも呼ばれる)」という、ちょっと変わった指標を用いたCFDもある。