性格は変えることができます。

「性格」とは、簡単に言うと「思考習慣」です。ものごとの受け止め方や、考え方のクセのようなものです。

そしてその思考は、言語に支配されています。人は言語なしで考えることはできないからです。私たちは話すとおりに考え、考えるとおりに話しているのです。

ですから、自分の性格にコンプレックスを抱き、直したいというなら、まず自分の口ぐせに気をつけてみましょう。悲観的な思考習慣を持つ人は、気づかぬうちに「どうせ無理だ」「仕方がない」「つまらない」など、悲観的な言葉をよく使っています。一方、楽観的な思考習慣を持つ人は、「大丈夫だ」「何とかなる」「やってみよう」など、楽観的な言語習慣を持つものです。そして、実際にそのとおりになります。

同じように、自分は嫌な性格だと思っていても、実は大した根拠などなく、自分で思い込んでいるだけのことがほとんどです。「自分は人と接するのが苦手」「気が小さくてあがり症だ」と自分について否定的なことをしょっちゅう口にしているために、その言葉に支配され、実際の場面で失敗してしまうのです。

言語習慣を変えれば、思考習慣も変化します。つまり「口ぐせ」を変えることで性格も変えることができるのです。

これは、脳や自律神経系の働きでも説明がつきます。人は、自律神経系によって動かされています。自律神経系は、心臓の鼓動や体温調節など、本来は人の意思を介さずに生体コントロールを行っています。しかし同時に、脳が思考したことに無条件に反応するという特性を持っています。梅干しを想像するだけで、唾液が分泌されるのは、その一例です。

思考は言語で構成されていますから、言葉が自律神経系、ひいては人そのものを支配するといえます。つまり言語を操ることで、自分をコントロールすることができるのです。