日本最大級の品揃えを誇るロコンド.jp。

日本最大級の品揃えを誇るロコンド.jp。

試し履きができないので通販には不向き。そう見られていた靴のネット通販が成長期を迎えている。当初は、価格訴求型や、サイズや種類を絞り込んだニッチ型の小規模店が多かったが、2008年にはアマゾン、11年はベンチャーのロコンド.jpといったフルラインの品揃えを誇るプレーヤーが参戦。8000億円規模とされる市場では、がぜん競合が激しくなっている。

「30日間返品無料・翌日配送」のアマゾンに対して、ロコンド.jpの武器は「送料無料・99日間返品(手数料)無料・返送料も無料」。店頭で試し履きできないデメリットを解消するための太っ腹なサービスだが、今のところ返品は5足に1足程度。代表兼共同創設者の田中裕輔氏は「返品率はもっと上がってもいい。『買ってから選ぶ』スタイルを浸透させたい」と話す。

ブランド名を大きく打ち出した個性的な段ボールも可愛いと好評だ。

ブランド名を大きく打ち出した個性的な段ボールも可愛いと好評だ。

ロコンド.jpの取り扱いブランドは約3000点、1日の購入客は約1000人。予想外の利用も増えている。誕生日や「母の日」等のプレゼント需要だ。「贈る相手のだいたいの好みやサイズを把握したうえで5足ほどまとめて注文し、本人に選んでもらう形です。靴をまとめて贈られ、試し履きできる機会はそうそうない。シンデレラになった気分だと喜ばれています」(田中氏)。

00年に参入し、実店舗を上回る売り上げをあげている池袋のスニーカー専門店シュープラネットは、直営店のほか、楽天、アマゾンなどに5つの店を展開し、ファミリー、スニーカーファン、ファッション感度の高い女性など、異なるターゲットのニーズに応えている。関連販売にも力を入れる。

「靴下、鞄、時計、帽子にまでラインナップを広げました。やれることはまだたくさんある」と代表取締役の山崎晋氏。充実したサービス、顧客に合わせた品揃えや多店舗展開。勝ち残る条件はリアルの世界とまったく同じだ。