渡部 建

1972年、東京都八王子市生まれ。神奈川大学経済学部卒業。93年相方の児嶋一哉さんとお笑いコンビ“アンジャッシュ”を結成。「大学まで出てお笑いかと、両親の反対を受けつつ20代は食うや食わずの日々でした」。2003年、NHK「爆笑オンエアバトル」で優勝。NHK「めざせ!会社の星」、J-WAVE「PLATOn」などお笑い以外でも幅広く活躍、今年7月に初の小説『エスケープ!』(幻冬舎)を上梓するなど多芸多才。DVD「アンジャッシュベストネタライブ『キンネンベスト』」が発売中。


 

僕は自炊をまったくしないんですが、食べることは大好きなんです。おいしいお店を人から聞いたり、人に教えたりするのも大好きで、旨かった店は自分のブログにのせて楽しんでいます。食べ歩きはもう趣味ですね。

「あんこう屋 高はし」は、僕がナビゲーターを務めているJ‐WAVEのラジオ番組「PLATOn」を通じて出合った店です。

毎日テーマを決めて“哲学”する番組なんですが、精通する専門家をゲストにお招きして、2時間じっくり話を聞けるのですごく勉強になりますね。築地にはテーマでとりあげるまでほとんど行ったことがなかったし、正直、魚の煮付けなんてどこも同じだと思っていましたが、ここに来て考え方がガラリと変わりました。徹夜明けで、朝の生番組に出演する前などにさっと立ち寄ります。一時期は週4回も来てました。

NHK教育でやっているビジネス情報番組「めざせ!会社の星」のMCもやりがいがありますね。「仕事のモチベーションが上がらない」「上司とうまくコミュニケーションがとれない」といった仕事の悩みや不満から、実践プレゼン術、好感をもたれるファッションまで、会社ライフを楽しく賢く過ごすコツを紹介しています。

最初は会社勤めの経験がない自分に務まるのかと不安でしたが、サラリーマン社会も芸能界も、本質的にはあまり変わらないですね。仕事の方法論や課題なんかも共通することが多い。やっぱり早く要領を得られる人のほうが上にいけるし、明確なビジョンをもって仕事にとり組む人のほうが成功をつかみやすいんです。僕らならではの大胆なアドバイスを織り交ぜつつ、楽しんでやらせてもらってます。

「コリアンオーガニック nabi」は神奈川大学時代の友人の店。韓国料理は野菜もたっぷりとれるしヘルシーなのがいい。僕はスポーツもしないし、健康管理はあまり気にしないほうですが、最近話題の“GI値”が急激に上がらないように、おかずは野菜から先に食べるようにしています。

こうしてみるとお笑い以外のことばかりやっているようですが、ネタもちゃんと書いてますよ(笑)。

ネタ作りはホント生みの苦しみ、もう逃げ出したいくらいシンドイときもありますけど、人様に見ていただいて、評価されたときの快感はたまりません。苦労も吹き飛びます。だからずっと続けていられるんでしょうね。

ビジネスや哲学の世界の仕事をしたり、今年は小説に挑戦してみたりと一見、お笑いと関係のないことが、実はネタ作りにすごく生かされています。すべてが新たな芸の肥やしになっているという感じですね。