住宅政策の大転換で物件価格は3分の2に

「利回り」を基準に妥当な価格を導き出す!
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「利回り」を基準に妥当な価格を導き出す!

新築マンションでは「価格」と「品質」の相関関係が薄い。不動産は言葉の通り個別性が非常に高い。売り主と買い主の1対1の関係で価格が決められるため、需給バランスに大きく左右される。このため、「値下げマンション」の中身が悪いとは限らない。

値下げが話題に上るのは、いまマンションが売れないからだ。2007年までは用地や資材が高騰し、「新価格」「新々価格」と呼ばれる「値上げマンション」にも買い手がついた。だが、天井知らずの高騰に顧客がついてこられなくなり、在庫がダブついた。

マンションは企画から竣工まで約2年かかる。いま市場に出ている新築マンションはリーマンショック以前の高騰していた時期に土地を仕入れたものが多い。いまの相場には見合わないため、値下げせざるをえない。

新築マンションにおける不動産会社の利益は15%程度。つまり10戸のマンションでは2戸が売れ残れば赤字となる。業者にとっては値下げのダメージより売れ残るリスクのほうが怖い。

何とか売り切るための手法が「アウトレットマンション」と呼ばれる格安物件だ。売り切れなかった在庫を、建て主とは別会社が元値の4~6割で買い取り、2割程度の利益を上乗せして売り出される。元値に比べると2割から4割安いことになる。これはメーカー保証のない新古車のようなもの。売り主は建て主ではないので、建築物について詳しく把握しているわけではない。住んだ後のトラブルに弱いというデメリットを踏まえておきたい。