月の食費は夫婦で2万5000円。昭和30年代の食生活で健康と節約を実現

07年秋頃から始まった食品の値上げラッシュ。この春からは牛乳や小麦など、より身近な食品の値上げや実質値上げが目白押しだ。収入は変わらないのに、モノの値段は上がり続けるこの状況は、今後もじわりじわりと続くと考えられる。そして、中国産の冷凍餃子問題などもあり、安全性への疑問は更に高まっている。自分のお金や健康を守るのは自分自身と考えて生活すべきではないだろうか。

食は、生きるうえで欠くことはできない。しかし、食べたら消えてしまうものだからこそ、そのムダに気づきにくいのである。食のムダに気づかないまま定年を迎えてしまうと収入と生活費のバランスが大きく崩れてしまう可能性がある。余力のある50代のうちに食費を含めた生活費の見直しを図ることは重要課題であり、そこで浮いた分は老後の蓄えにも直結するので、あなどることはできない。

月の食費予算は、夫婦で米代を入れて2万5000円と考える。ではどのようにして食費を節約すればよいのだろうか? 答えは簡単である。自炊をメインにし、旬の食材を最後まで使いきればいいのだ。いくら食品が値上がりしているとはいえ、やはり自炊は安上がりだ。外食は自炊の5倍はかかるといわれる。仮にファミレスの食事代が2人で3000円かかるなら、そのお金を持って八百屋に行ってみよう。1食分の金額で1週間分以上の野菜を買うことができるはず。

食費節約のアクションと効果
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買い物へ行く際も、空腹時を避けて1人で予算を決めて行こう。予算がないとつい必要以上に買ってしまう恐れがある。そのためにも、食費と生活費の財布は別々にしておこう。できれば5週に分けて1週間ごとに予算を入れ替える(残金は翌週に繰り越さない)とより管理がしやすくなる。こうするだけでも1回の買い物あたり1000円のムダ遣いは減る。そして旬の食材は栄養価も高く値段も手頃だ。しかも生産過程において使用するエネルギーが少なくて済むからエコ食材ともいえる。また、ひじきや切り干し大根といった乾物、魚のアラや卯の花などをプラスすればより削減効果は高くなる。こんなオイシイ食材を使わない手はない。

そして日本で一番自給率が高いのは米。小麦の値段が上がるなら主食のメインは米飯、そこに先述の食材を組み合わせた食事をすればほぼ完璧だ。これは健康的な食生活にも通じるのではないだろうか。健康も節約のうちである。何も難しいことではない。ただ自身が生まれ育った昭和30年代に戻るだけなのだから。