ウェブサイトのリニューアルで問い合わせ数が前年比4倍に伸びた企業がある。一方で、ウェブ担当者をうまく活かせていない企業も多い。どうすれば彼らを育て、活かすことができるのだろうか。

ウェブのリニューアルで問い合わせが前年比400%に

2007年の国内広告費で、インターネット広告がテレビ、新聞につぐ規模に浮上した(電通調べ)。4大マスメディアへの出稿が下降しつつあるなか、インターネット広告の出稿量は増加している。これはインターネットがコミュニケーションツールとして認知が進んでいるひとつの証しである。

マスメディアと呼ばれるテレビ、新聞、雑誌、ラジオは、多くの消費者に向けて同一内容を一斉に届ける。それに対して、ウェブサイトはターゲティングメディアといわれ、性別や世代を特定して個別に情報を発信したり、双方向のコミュニケーション機能を用いて顧客の意向を尋ねることが可能だ。

顧客への情報の提供手段は、その狙いに合わせて適宜使い分ける必要があるが、顧客満足の向上を狙うなら、顧客とのより密なコミュニケーション展開が可能なウェブサイトが、最も効果的なツールといえる。

ウェブサイトには、広くサービスや商品を売るというより、一人ひとりの顧客とのつき合いを深めていく役割がある。その最初の一歩は、積極的に情報を提供していくこと。自社のことをよりよく知ってもらい、ブランド力をアップさせることができる。

ウェブサイトは戦略実践ツールとしての活用も可能だ。キャンペーンの告知、会員サイト設置などでファンづくりや顧客の固定化につなげたり、顧客の意向を尋ねて顧客ニーズを探ることもできる。最近では、Eコマースでの販売強化も進んできている。

これらの手法を複合的に用いることで、顧客との接点を拡大させている2社の例をあげる。

日本公文教育研究会は、事業内容をさらに広く浸透させるためにウェブサイトをリニューアルした。その際に、メーンターゲットである保護者層の方と、きめ細かなコミュニケーションを図ろうと新たな接点としてモバイルサイトも同時にリニューアルした。PCサイトのトップページにQRコードを掲載し、このQRコードをモバイルに記憶させることで、モバイルサイトからも簡単に教室検索や問い合わせができるようにした。

ウェブサイトリニューアル後のPCサイトの問い合わせは、前年比400%と飛躍的な伸びを示した。それだけでなく、資料請求件数も前年比130%、教室検索数は前年比150%と増加。狙いどおりの成果が表れた。