大東文化大学
1949年に設置された私立大学。本部は東京都板橋区。1923年に設立された大東文化学院を前身とする。在学生は12750人(2009年5月1日現在)。学部は文学部、経済学部など8つ。偏差値は44~49。2000年に日本で初めて書道学科を設置。05年にはスポーツ・健康科学部を設置した。ラグビーや駅伝などスポーツも盛ん。
書道部の皆さん。前列右から2人目が「雲龍」と書いた3年生の阿部祐太朗さん。

書道部の皆さん。前列右から2人目が「雲龍」と書いた3年生の阿部祐太朗さん。

作品制作に取り組むという点で共通するのは、大東文化大学(東京都板橋区ほか)の書道学科だ。

同大は69年に書道文化センター(現書道研究所)を設立するなど書道の研究や教育が盛ん。学科設立は00年と比較的新しいが、広く書道の名門大学として知られ、書道を取り上げた人気マンガでテレビドラマにもなった『とめはねっ! 鈴里高校書道部』でも同大をモデルにした大学が登場している。

書道学科では3年次に「書道文化演習2」という選択科目がある。これは学術交流協定を交わしている台湾や中国の大学などで1週間、現地の専任スタッフから書・画・篆刻の指導を受けるものだ。

この書道学科の学生を中心とする同大の書道部は強豪として知られている。現在の部員は約100人と全国有数の規模で、このうち約半数が書道学科に在籍している。

4年生で前幹事長の森山恵一郎さん。篆書で「和風慶雲」と書いた。

4年生で前幹事長の森山恵一郎さん。篆書で「和風慶雲」と書いた。

2009年、書道部の幹事長を務めた鹿児島県出身の森山恵一郎さんは、「公募展には積極的に出品しています」と話す。森山さん自身も2009年の「第26回読売書法展」で秀逸賞に選ばれた実力者だ。

卒業後には書道教員となる書道部員も多い。書道学科では09年度の卒業生57人のうち44人が教員職員免許を取得している。また筆耕の技術をいかしてホテルやブライダルなどのサービス業を選ぶ卒業生もいるという。

「書道部では、2009年の卒業生15人のうち10人が書道教員として活躍中です。筆耕関連の職は以前に比べれば減りましたが、一定の需要はあるように感じます」(森山さん)

※すべて雑誌掲載当時

(永井 浩、浮田輝雄=撮影)