ビジネスの場面で相手に大きな買い物をしてもらうには、どうすればいいのか。歌舞伎町で10年以上ナンバーワンホストを務めた信長氏は、「話の順番が大事だ。テレビショッピングのように、メリットを十分に説明して最後に値段を言うといい」という――。

※本稿は、信長『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』(KADOKAWA)を再編集したものです。

シャンパンのグラス。使い捨てからすのピラミッド
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「営業職」と「ホスト」の仕事は似ている

セールストークにおける最大のポイントは、話の「順番」です。

いかに相手に、ストレスなくお金を使ってもらうか。これが最重要課題なのは「営業職」も「ホスト」も同じ。私も、ホストとして歌舞伎町でナンバーワンを獲り続けていたころは、常に話の「順番」に気を遣っていました。

「結論から話せ」。新人時代、上司からこう叱られた人は多いでしょう。

確かにビジネスシーンでは、結論から話すのがひとつのセオリーです。ただ、商談やプレゼンテーションの場では、結論から話すことが必ずしも有効ではない場合があります。

ホストがなぜ、あの手この手を使ってお客さまを楽しませようとするのか。結論をいえば、それは「お金を使ってほしいから」です。しかしお店に入るなり、ホストに「今日は100万円使ってください。なぜならば……」と結論から言われたら、お客さまはドン引きするでしょう。その後、どんなに接客を頑張っても、お客さまは「ああ、この人は私に100万円を使わせるために頑張っているんだ」としか思いません。

大きな買い物をしていただくには、話の「順番」が大事なのです。