最近ネットで湧きあがる、「吉村総理待望論」に迫る

新型コロナウイルスの脅威を前に頼りにならない政府や国会議員に比べて、力強いリーダーシップや発信力で国民の心をつかんでいるのが「現場」を預かる知事たちだ。欠陥だらけの新型コロナウイルス対策特別措置法や後手に回る国の後始末に追われる首長は、増加する感染者と医療現場への対応、自粛や休業を余儀なくされている国民への支援策に苦闘する日々を送る。いまだ精神論を振りかざし「出口戦略」を見いだせない安倍晋三政権への失望感が広がる一方で、「有事に強いリーダー」として注目を浴びている東京都の小池百合子知事と大阪府の吉村洋文知事の2人は、今や国のトップが誰かということを忘れさせるほどの存在感を見せている。最近、ネット上で沸きあがる「吉村総理待望論」を追った。

新型コロナウイルス対策本部会議後、取材に応じる大阪府の吉村洋文知事=2020年5月5日、大阪府庁
写真=時事通信フォト
新型コロナウイルス対策本部会議後、取材に応じる大阪府の吉村洋文知事=2020年5月5日、大阪府庁

非常事態下にもかかわらず、国からの指示を待ってから行動する受け身型の「良い子ちゃん知事」が多い中で、小池氏と吉村氏は異彩を放っている。記者会見やSNSなどを通じた情報公開や発信、休むことなく国の先を常に行くコロナ対策への高評価は、わが国のリーダーの中でも突出している。