好きなことを仕事にするには、どうすればいいのか。ゲームジャーナリストのJini氏は、「ゲームをブログで熱く語り続けることで、TBSラジオにも呼ばれるようになった。好きなものの魅力を言語化できると、信頼を得られる」という——。

※本稿は、Jini『好きなものを「推す」だけ。共感される文章術』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

ソーシャルメディアのコンセプト
写真=iStock.com/tolgart
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コロナ禍で次々見えたネットの悪しき側面

2020年2月、日本全国の店頭からトイレットペーパーが消えました。

原因は、SNSで流行したデマ。COVID-19、通称新型コロナウイルスの蔓延で、日本は未知のウイルスに対する恐怖に支配されていたのです。

特に、予防に有効とされたマスクやアルコール消毒液が次々に買い占められ、オークションサイト・アプリ等で高額で転売されました。それもあってか、TwitterやFacebookなどのSNSで「次はトイレットペーパーやナプキンが消える」と誰かがいい始めました。

むろん、これらはなんの根拠もないデマであり、経済産業省や業界団体が否定したにもかかわらず、買い占めは止まりませんでした。今まさに紙類を必要とする人たちは、寒空の下、かろうじて在庫があるスーパーで行列を作ったのです。

人々が自由に発信し、共有できる今の情報社会は、確かに人の生活を豊かにしました。しかし私たちは同時に、その豊かさの代償を思い知りました。2011年3月の東日本大震災でも、数々のデマによって被災の混乱は何倍にも攪拌かくはんされ、悪質なデマの中には、特定の人種や性への差別を誘導するようなものさえありました。