5年目でやってきたマンチェスターへの異動

日本たばこ産業(JT)はドメスティックな会社と思われがちですが、海外たばこ事業は世界約80カ国に拠点があり、130カ国以上で事業展開しています。グループ全体で従業員は6万人を超え、日本人以外のメンバーが4万人を超えています。

JT代表取締役社長 寺畠正道氏
JT代表取締役社長 寺畠正道氏

先ほどもブラジル、スイス、台湾、ロシアから来たメンバーとランチをしていました。もちろんコミュニケーションは英語です。国は違っても、英語というツールがあれば意思疎通できるので便利ですね。振り返れば私の経歴の4割強も海外勤務になっています。

とは言うものの、入社当時の私は、英語の「読み・書き」、いわゆる受験英語はできても、「話す・聞く」ことはまるで苦手でした。

最初の配属先は京都の関西工場。当時は独身で、週末に時間があったので、趣味のゴルフの練習に加え、英語の勉強をやろうと、自費で英会話教室に通いはじめました。会社の制度には、一定期間勤務し、選抜試験を受けて合格すれば海外に行けるという研修制度があって、当時はTOEICで600点以上を取れれば合格するくらいのレベルでしたので、少しだけ真面目に勉強しはじめたのです。

入社5年目に念願のイギリスのマンチェスター工場建設のプロジェクトに参加することになりました。