コロナ渦での落語会でやり場のない怒り

いやはや、コロナ禍でみなさま、お疲れさまでございます。

落語家の立川談慶さん
落語家の立川談慶さん

テレビをつければどのチャンネルもその話題ばかりで、なんだか嫌になります。それに追い打ちをかけるかのように、「各種ライブ、コンサートの自粛」であります。私も芸人、身体をそこに持っていってパフォーマンスをしないと身過ぎ世過ぎが成り立たない稼業ゆえ、非常に難儀しています。

そんな心の晴れない空気感が漂う中、2月28日、「第13回国立演芸場独演会」を開催しました。いやあ、開催というよりも敢行というようなレベルではありましたが。無論、会場入口にアルコール消毒液を設置したり、ご来場いただくお客さまにはマスクの着用をお願いしたり、恒例の書籍サイン会はお断りしたりと、こちらでもできる限りのことはやらせてもらいました。おかげさまで大反響と相成りました。

2月末に長野で企画していただいた「出版記念落語会」も、やはりご来場されるお客さまの中の「このモヤモヤ感をなんとか笑いに変えてもらいたい」みたいな空気をひしひしと感じたものでした。こんな状況の最中に駆けつけるお客さまはある意味おおらかなのでしょうが、そのアバウトさが逆に仇になって、携帯電話を鳴らす人が続出でした(笑)。事前に電源を切るというチェックがおろそかになるのでしょう。

なんとかそのアクシデントを乗り切って、オチにこぎつけようとした瞬間でした。今度は石油ファンヒーターからの燃料切れを知らせる「キラキラ星」が鳴り出したのです(笑)。いやあ、参りました。こればかりは仕方ありません。向こうにしてみれば当然の仕事なんですもの。やり場のない怒りを抑えて語り終えて、近づいてそのメーカー名を見たら「コロナ」だったという(爆笑)。

ほんと、人生いろいろであります。