営業マンはこれからも必要なのだろうか。『営業はいらない』(SBクリエイティブ)を上梓した日本創生投資社長の三戸政和氏は「大量生産・大量消費のビジネスモデルを前提とした営業マンは不要になるだろう。アメリカでは営業活動を必要としない顧客戦略で成功した企業がある。その波は必ず日本にも来る」という——。
東京の街の通勤者
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17年間で100万人の営業マンが消えた

日本の営業マンの数は2001年の968万人から、2018年には864万人にまで減少した。これはピーク時に比べて、約100万人の営業マンが消滅したことを意味している。

かつてフィンテックと呼ばれるITを金融の分野に持ち込んだ技術が、金融業界のあらゆる職種を侵食しつつあるように、いま営業の世界では、MA(マーケティングオートメーション)、SFA(セールスフォースオートメーション)、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)に代表される「セールステック(営業自動化テック)ツール」が、日本の営業マンを如実に締め出しつつある。

だが、これから営業マンの頭数を如実に減らしていく要因は、実はそれだけではない。

現在アメリカでは、それまで多くの営業マンを必要としていたある業界において、「営業マン不要」を実現し、成功を収めつつある企業がある。そこでここでは、この企業がいかにして営業不要のビジネスモデルを成功させたかを考察したい。