安倍政権が新型肺炎の対応で混乱を極めている。集団感染が起きたクルーズ船の政府対応は世界中の批判を集めたが、2月27日に唐突に発表した一斉休校要請では、これまで安倍晋三首相を支えてきた「お友達」の間での亀裂が表面化した。長期政権の「末期症状」を分析しよう――。
新型肺炎対策で記者会見に臨む安倍晋三首相(右端)=2020年2月29日、首相官邸
写真=時事通信フォト
新型肺炎対策で記者会見に臨む安倍晋三首相(右端)=2020年2月29日、首相官邸

根拠を論理的に示せないので、政治決断を示すしかない

2月29日午後6時、首相官邸。安倍氏が開いた記者会見は異様な空気に包まれていた。首相官邸は安倍氏の「本拠地」であるはずなのに、アウェーのようだったのだ。2日前に行った一斉休校要請は「拙速だ」「根拠がない」「説明がない」とすこぶる評判が悪く、逆風を一身に受けての会見だった。

安倍氏は冒頭、新型コロナウイルスについて「中国での広がりに続き、韓国やイタリアなどでも感染者が急増しています。わが国ではそこまでの拡大傾向にはない」と、海外と比較すれば日本の被害拡大は深刻ではないというアピールに腐心した。

その後は「私が決断」「私の責任」といった言葉を連発。おそらく「一斉休校要請」の根拠を論理的に示せないので政治決断を前面に出すしかなかったのだろう。