「子供が机に向かわない」と悩む親は多い。だが、黙っていても机に向かうのが望ましいとは限らない。中学受験塾代表の富永雄輔氏は「進んで勉強する子の中には、『このままでは合格できない』という焦りで追い込まれているケースがある。焦りによる勉強ではそのうち息切れしてしまう」という——。

※本稿は、富永雄輔『それは子どもの学力が伸びるサイン!』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。

教室で勉強する男の子
写真=iStock.com/Milatas
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「自ら机に向かう子供」は案外ヤバいこともある

「勉強しなさい!」と言われなくても、自ら机に向かって勉強をはじめる……そこに「勉強に対する前向きな気持ち」がともなっていれば、もちろんこれはとても喜ばしいサインです。

真剣さの中にもどこか楽しそうな雰囲気が感じられたり、やる気が伝わってくるくらい生き生きとした表情を浮かべているなら、学力を伸ばす絶好のチャンス。親が「がんばってるね!」と声をかけ、大いに励ましてあげると、ますますその気になってくれる可能性が高いでしょう。

ただ、自ら机に向かってはいるものの、表情が沈んでいたり、どこか落ち着かなかったりする様子が見える場合は注意が必要です。

なぜならそれは精神的に追い込まれているサインかもしれないからです。

夜遅くまで塾で勉強してきたにもかかわらず、さらに机に向かおうとする場合や、自分の部屋にこもってほとんど出てこない場合などは、その可能性はさらに高くなります。

「このままではみんなに置いて行かれる!」「志望校に合格できない!」という焦りが、休む間もなく机に向かう行動となって表れているのです。