シンガポールの危機感は日本以上

「日本はのんびりしていますね。マスクをしている人は多いですが、普段通り通勤して。シンガポールとは緊張感が違います」

東京都内の通勤風景(2020年2月18日)
写真=Ivo Gonzalez/アフロ
東京都内の通勤風景(2020年2月18日)

新型コロナウイルスの感染が日本でも広がりを見せる中、2月中旬にシンガポールから一時帰国した日本人金融マンはこう話す。シンガポールはもともと中国からの旅行者が多い国でもあり、新型コロナウイルスへの危機感は日本の比ではないという。

シンガポールの感染者は2月19日現在で81人とされ死者は確認されていない。それでも1月に高級ホテルで開かれた国際会議の参加者によって、韓国やスペインなど5カ国に広がったことが分かっている。海外からビジネスマンが離合集散するハブとして機能してきたシンガポールにとっては重大事なのだ。

一方、日本は厚生労働省の2月19日付の資料では、チャーター便での帰国者で感染が確認された13人を含んで73人の感染者が確認され、1人が死亡している。また、2月19日時点で、横浜港に停泊していたクルーズ船の乗客乗員621人の感染も確認されている。

政府も、手洗いやうがいの実行や不要不急の外出を避けるよう呼びかけている。東京マラソンの一般参加が取りやめになるなど、大型イベントを中止するケースも出始めている。