2月6日、ナイキが現行品よりさらに2.5ミリ厚い“超厚底”の新モデルを発表した。しかも世界陸連の新規定「プレートは1枚」「厚さ40ミリ以内」もクリアし、東京五輪でも使用可能だ。スポーツライターの酒井政人氏は「東京五輪ではナイキの一人勝ちとなりそうだ」という——。

世界陸連の新規定のわずか6日後に2.5ミリ厚い「超厚底」を発表

2020年1月半ば、複数の英国メディアが「ワールドアスレチックス(以下、世界陸連)が新規則でナイキの厚底シューズを禁止する可能性が高い」と報じ、国内でも「厚底は是か非か」という議論が白熱した。

1月末に世界陸連が発表した新規定では、「すでに市販されているモデルは使用可能」となり、4月30日以降は次の3つのルールが適用される。

・複数のプレートを靴底に内蔵してはならない。
・靴底の厚さは40mmまで。
・レースの4カ月前から一般購入できること(医学的理由などでカスタマイズされたものは許可される)。

この世界陸連の発表からわずか6日後、ナイキが新モデルを発表した。

それが一連の厚底シューズ「ヴェイパーフライ」シリーズの後継モデルとして開発された「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」(以下、アルファフライ)だ。

写真提供=ナイキ