女性は男性よりもうつ病にかかりやすい

まずは愚痴を聞いたうえで、掃除や食事の後片付けを手伝おう<br><strong>精神科医慶應義塾大学教授 大野 裕</strong>●慶應義塾大学医学部卒。精神医療の現場で注目される認知療法の日本における第一人者。『うつ・不安に効く7つのステップ』等著書多数。
まずは愚痴を聞いたうえで、掃除や食事の後片付けを手伝おう
精神科医慶應義塾大学教授 大野 裕
慶應義塾大学医学部卒。精神医療の現場で注目される認知療法の日本における第一人者。『うつ・不安に効く7つのステップ』等著書多数。

身近な人で一番うつが心配なのは妻でしょう。女性は男性よりもうつ病にかかりやすいため注意が必要です。月経や出産など女性特有のホルモンの変化による影響に加え、社会的立場の弱さや、家事など「やって当たり前」とされて評価されることが少ないことも、その理由です。

40~50代は更年期による不調のほか、子離れや若さの喪失に対する不安感などにより、鬱々とすることが多い時期です。家族が気をつけ、早く予兆に気づいてあげてください。

うつを見分けるポイントは大きく2つあります。まず、家の中が急に乱れてきていないかどうか。掃除が行き届かず散らかっていたり、なかなか食事の後片付けをしないなどの状態には注意が必要です。2点目は、イライラして怒りっぽくなっていないかどうかです。いつもと違う状態に気づいたら放っておかず、まずは声をかけて、何かつらいことはないか、困っていることはないか、ストレスが溜まっていないか聞いてみてください。

ただし、詰問調の質問はいけません。「はい」「いいえ」の答えを求める質問をしないこと、質問の答えを否定しないことの2点に注意しましょう。相手を否定せず、じっくり話を聞いて受け止めてあげてください。

相手のちょっとした変化に気づき、コミュニケーションを取ることは、うつの予防にも役立ちます。うつの症状が強くなると、だんだん自分の感情や考えを言葉にしなくなりますから、できるだけ早いうちにコミュニケーションを取ることが大切です。一方がイライラすると、もう一方もイライラしてちょっとしたことでぶつかるようになり、すれ違いが大きくなります。そこで立ち止まって相手の話を聞けるかどうかが重要なのです。