ネットで「裸の自撮り」を送らせる児童ポルノ被害が急増している。主な被害者は女子中高生。なぜ彼女たちは自撮りを送ってしまうのか。子育てアドバイザーの鳥居りんこさんは「背景にあるのは性への興味だけではない。いまの世代に特徴的な『人に嫌われたくない』という気持ちがある」という――。
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なぜ、女子中高生は裸を自撮りして会ったことない人物に送るのか

警察庁発表の子供の性被害をめぐる平成30年中の統計では「児童ポルノ」の検挙件数が3097件にのぼった。平成21年には935件だったので約10年で3倍以上になったことになる。

この児童ポルノ被害の約4割が「児童が自らを撮影した画像に伴う被害」だ。つまり、児童が何者かにより自撮りで裸体を撮影させられ、メールなどで送らせる。

平成30年中の「自ら撮影した画像に伴う被害に遭った児童」の内訳を見てみると、高校生が45.7%、中学生が44.2%、小学生が8.3%(その他1.8%)となっている。

近年は中学生や高校生だけでなく、小学生のネットの利用が広まり、このようなSNSを利用した被害が小学生にまで拡大しているのだ。

行政も手をこまねいているわけではない。東京都をはじめとする各地方自治体は「自画撮り被害を防ぐ為の罰則付き条例」を施行し、未成年に不当に自画撮り写真を要求する行為に対する罰則を規定し始めている。

つまり、何者かが児童に自撮りで裸体を撮影させ、それをメールなどで送らせることだけではなく、それを要求した時点で、たとえ加害者側が未成年であっても逮捕事案になる、れっきとした“犯罪”である。

ではなぜ、少女(少年)は結果として自らの裸画像を送っているのだろうか?