土日の朝に開催される闇市

大阪市西成区あいりん地区。労働者の街からバックパッカーの街へ変化を遂げたといわれることが多くなった。事実、外国人観光客の数は急増しているものの、暗い側面は残る。今、若い女性たちがあるクスリを求めて、あいりん地区にやってきている。

あいりん地区で撮影

2019年の3月末に閉鎖された、あいりん総合センターから南に徒歩1分。南海高野線の高架下には、土日の朝になると、違法な露店が複数並ぶ。この露店群は2015年に警察による一斉摘発を受けて姿を消したものの、すぐに復活。現在にいたるまでいたちごっこを続けている。12月の中旬頃にもガサ入れが行われたというが、なくなる気配はない。

露店では衣服や雑貨、家具などが中心に売られている。ただのフリーマーケットのようでもあるが、細かく商品を見てみると、そうではない。店主や客の風貌からも、けっしてクリーンな雰囲気ではないことがわかる。DVD屋の露店はとくに人気で、店舗数も多い。有料アダルト動画サイトで配信されている作品をディスクに焼いて、1枚数百円で販売している。

数は少ないものの、薬屋の需要も高い。薬屋の仕入れ先は生活保護受給者だ。生活保護受給者は医療費が免除されているため、無料で処方された薬を露店に売り、生活費を稼いでいる。