固定観念をぶち壊すのは攻撃ではなく「共感」だ

最近、世の中を見ていると、興味深い現象がある。日本でも世界でも、世論を二分するような対立軸があると、相手を批判したり攻撃したりしても、なかなかその効果が上がらないのだ。

労働者の味方を標榜するトランプ大統領。型破りながら根強い人気を誇る。(AP/アフロ=写真)

例えば、ある政治家に対して、アンチの人たちがあれこれと攻撃しても、その支持率が下がらない。むしろ、支持者の結束が高まってしまう。

その好例がアメリカのトランプ大統領。弾劾の手続きが進むなどピンチのはずなのだけれども、その支持者たちの熱さは変わらない。

周囲のアメリカ人に聞いても、2020年の選挙の結果がどうなるのかわからないと真顔で言う。これだけいろいろと批判されて、傷だらけにも見えるトランプさんだが、その支持者の間での人気は変わらないようだ。

トランプさんだけではない。さまざまな国の大統領、首相が批判を浴びつつも支持者の間では人気を集め、結果として世論が二分されたまま膠着状態になるということがしばしば見られる。

イギリスでも、フランスでも、そしてこの日本でも……。人々の意見が分断される現象は、どう解釈すればいいのだろうか?