いい企画を立てるには、どうすればいいのか。マーケティング戦略コンサルタントの永井孝尚氏は「企画と計画を取り違えている人が多い。計画は完璧でなければいけないが、企画はざっくりでいい。それがわかれば、天才の企画に対抗することもできる」と指摘する——。

※本稿は、永井孝尚著『超実践マーケットイン企画術 7つのテンプレートで「お客様のニーズ」がつかめた』(PHP研究所)を元に書き下ろしたものです。

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「計画」とはまったく違うもの

ジックリと時間をかけて完璧な企画を立てようとするビジネスパーソンは実に多い。これはやり方が間違っている。時間をかけて完璧な企画を作ろうとしてはいけない。しかし部下がこう言うと、本気で怒るマネージャーも多い。

永井孝尚著『超実践マーケットイン企画術 7つのテンプレートで「お客様のニーズ」がつかめた』(PHP研究所)

「とんでもない! 企画は時間をかけて、完璧に作れッ!」
「サボるな! ちゃんと一生懸命に働け!」

これは昭和な考え方である。「企画」を「計画」と勘違いしている。企画と計画はまったく違うのだ。

企画の役割は、「何をすべきか?」という正しい問いを見つけることだ。たとえば「交通量が増えたので、この地域に鉄道を作ろう」。

計画の役割は、その問いに「こうすればいい」と答えることだ。たとえば「では、この鉄道の建設計画を作ろう」。

決定事項を完璧に行うのが計画だ。昔の多くの仕事は決めたことをやればよかったので、時間をかけ、完璧に計画すればよかった。