寒くなり、風邪をひく人が目立ってきた。一方、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏はこの15年、一度も風邪にかかっていないという。中川氏は「私は6つの対策をとることで、風邪をひかなくなった。そのうえで、本人のためにも、周囲のためにも、咳をする人は家で休んでくれ」という──。
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私が風邪にかからない理由

冬が来た。とにかく言いたいことがある。

せきをする人は休んでくれ」

これだ。そして、もうひとつある。

「その咳がぜんそくによるものなのであれば、それは言ってください」

冬になると、とにかく風邪やインフルエンザをうつされることが恐怖でたまらない。私は当連載で「満員電車はクソ」「定時出勤はクソ」などと言い続けてきたが、そうした主張をする大きな理由のひとつは、風邪やインフルエンザに感染したくないからである。不特定多数の人が大勢いる場所に身を置くことにより、病気をうつされてしまう。それを回避する人生を送ることこそ幸せである──そう思ってきた。

フリーランスになって以来、満員電車にはほとんど乗らなくなり、不特定多数の人々が集まるような場所に行くことも減ったので、風邪はまったくひいていない。おそらくこの15年ほど、一度も風邪にかかっていないと思う。

咳をする人が気になって仕方ない

とはいえ、仕事をしていれば当然ながら打ち合わせや会議などが発生するため、必要に応じて電車にも乗るし、取引先にも出向くことはある。そんななか、会議室や執務室で咳を頻繁にする人がいると、どうしても「風邪をうつされるのでは……」という気持ちにならざるを得ないのだ。私だけでなく、その周囲にいる多くの人が、内心では「その咳、気になるな」と思っているはずだ。

ひとたび咳が気になってしまうと、会議の内容なんてそっちのけで、その人の咳をいかに直撃しないかばかりを考えてしまう。風邪をうつされてしまうと、自身の仕事や娯楽にも影響するし、家族にもうつしてしまうかもしれない。それをいかに回避するかが、冬の時期の重要課題になる。

そこで今回提案したいのが「咳が出るのであれば休んでもいい」という空気をさまざまな組織でつくり、それを社会的コンセンサスにすることである。最近は「インフルエンザにかかったら完治するまで絶対休め」というコンセンサスがだいぶ醸成されてきたように感じるが、それを「咳」にも適用してはどうか、ということだ。

「マスクをすればいいのでは」という意見もあるだろうが、会議に出席した際にマスクをしている人が数名いたら、私は「風邪をうつされるのではないか」と恐怖を覚える。マスクの人々が相応の配慮をしてくれているのはわかるものの、正直、こちらはその人からできるだけ遠い場所にいたいと思う。ビシッと密閉されたタイプのマスクを着けてくれていればまだ少し安心できるが、ところどころに隙間があるようなマスクでは恐ろしく感じる。電車で座っていても、マスクの人が隣に座ってきたら逃げたくなる。