首相主催の「桜を見る会」問題がなかなか収束しない。安倍政権の危機対応にまずいところがあったからだが、より本質的な部分で恐ろしい事態が進行していると橋下徹氏は指摘する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(12月10日配信)から抜粋記事をお届けします。

今回ばかりは、ちょっとまずい

12月9日に臨時国会は閉幕を迎えたが、「桜を見る会」の問題は収束する気配が一向に見えない。

今回は安倍政権の危機管理にミスがあったと思う。不祥事事案に対する危機管理のやり方は、これまで本メルマガで繰り返し論じてきた。

▼事実確認ができるまでは、自分の責任を一切否定するような断言はしない。あとで責任が疑われるような事情が出てくれば取り返しがつかない。
▼まずい情報ほど全て公開する。隠して後でバレることは致命的。
▼公開した上で、主張すべきところは主張し、謝るべきところは徹底して謝る。
▼情報を全てオープンにするという姿勢で信頼を得ていく。不正のあるなしにかかわらず「隠しているな」という「雰囲気」を世間は最も嫌がる。

写真=iStock.com/kyoshino
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ちまたに危機管理の書物は溢れているけど、実際のポイントは以上のようなシンプルなもの。それでもこれが、なかなかできないんだよね。これができないから、どんどん事態は悪い方、悪い方に行ってしまう。

これまで何度となく危機状況を乗り切ってきた安倍政権であるが、今回の対応ばかりは、安倍政権応援団の中でも「ちょっとこの対応はないよな」と微妙に空気が変わってきたんじゃないかと感じる。

(略)