アップル最高経営責任者 スティーブ・ジョブズ

1955年、米国カリフォルニア州生まれ。リード大学中退。アップル社の共同設立者の一人。カリスマ性が高く、その発言や行動が常に注目を集める。療養にあたり、重病説やCEO辞任説を否定した。


 

世界中のアップル信者が健康回復を待ち望んでいる。米アップルは1月中旬、スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が6月末までホルモン異常の治療に専念すると発表した。

ホルモン異常で必要なタンパク質が失われ、体重が減少する病気で、ジョブズ氏自身も「当初の想定よりも健康状態が複雑だと判明した」と明らかにした。昨年来の異常な体重減少という健康不安説が現実のものとなった。

2004年に膵臓がんの手術を受けているが、それ以降、マスコミや市場関係者にとって、ジョブズ氏の健康問題は最大の関心事だった。なぜならば、ジョブズ氏はアップルそのものだからだ。共同創業者でありながら、一度はアップルを追われた。その後、業績不振のアップルにCEOとして復帰、「iMac」や「iPod」など革新的な製品を次々と世に送り出した。新製品発表の際に発する「One more thing(もうひとつのもの)」は決めゼリフとなり、マニアに「聖下」とも呼ばれるカリスマ経営者である。

それだけに有力な後継者は育っていない。米マイクロソフトには創業者のビル・ゲイツ氏にスティーブ・バルマー(現CEO)氏という盟友兼後継者がいた。しかし、職務代行にティム・クック最高執行責任者(COO)を指名する一方、CEO続投を強調せざるをえないところにアップルの苦悩がある。現状ではジョブズ氏の存在が消えれば、アップルの成長が途絶えることを意味する。それはジョブズ氏の治療専念が報じられるとアップルの株価が急落したことからもわかる。

スティーブ・ウォズニアック氏らとの会社設立(1976年)、アップル復帰(97年)と、「2度の創業」に関わったジョブズ氏。アップルの将来は氏が後継者を誰に決めるかにかかっている。

(AP Images=写真)