定年後、再雇用される人材とされない人材はどこが違うのか。日本総研の小島明子氏は、「働く意欲のある高齢者のうち、約2割は働いていないという実態がある。大事なことは、成長意欲を忘れずに、専門的な能力・スキルを磨き続けること」という——。
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高齢者採用「絶対ほしい人・不要な人」の分岐点とは

厚生労働省によれば、日本人の健康寿命の平均は、男性が72.14歳、女性が74.79歳です。この数値は年々上昇傾向にあり、今後も医療技術の発展に伴って伸びることが予想されます。

現在の法律は、企業に対して「定年廃止」「定年延長」「65歳までの継続雇用制度の導入」のいずれかを選択することを義務付けていますが、政府は、雇用期間を70歳まで引き上げることを柱とした高年齢者雇用安定法改正案を来年の通常国会に提出する予定です。就業意欲の高い高齢者の活躍推進は、高齢化する日本社会にとって重要課題のひとつといえます。

本稿では、日本の大手製造業に技術者を派遣しているメイテック広報部に協力いただき、就業を希望する高齢者の現状と課題について述べます。