多額の借金を抱えて日本に留学し、返済のため過酷な肉体労働を強いられる外国人留学生が増えている。あるブータン人学生はそうした労働を「違法就労」とされ、帰国させられることになったが、学校側は前払いさせた学費の返還に応じなかった。留学生をだまし、日本のマイナスイメージを振りまく専門学校の体質をリポートする——。(後編、全2回)
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生き残るために留学生を大量受け入れ

日本人の学生が集まらず、留学生の受け入れで生き残りを図る専門学校や大学は全国に数多い。読売新聞(2018年10月8日朝刊)によれば、在校生の9割以上が留学生という専門学校は全国で少なくとも72校、学生全員が留学生という学校も35校に上っている。こうした学校の大半は、出稼ぎ目的で進学する“偽装留学生”の受け入れ先となっているとみて間違いない。

ブータン人留学生のダワ君(仮名・20代)が今年4月に進学した上野法科ビジネス専門学校(千葉市)も、留学生の受け入れで経営維持を図っている可能性が高い。彼が在籍する「情報ビジネス学科」のクラスは全員が留学生だ。しかもダワ君によれば、授業を理解する目安となる日本語能力試験「N2」に合格しているクラスメートは1人もいないという。実質、語学力を問われずに留学生たちが入学しているようなのだ。

ダワ君は7月19日に出頭した入管当局で、留学ビザの更新不許可を言い渡された。留学生のアルバイトとして認められる「週28時間以内」という制限を大幅に超えて働いていたからだ。