人は何のために働くのか。そしていつまで働き続ければいいのか。漫画家の蛭子能収さんは「僕はプライドがないのでどんな仕事も引き受ける。とにかくお金がほしいという一心で働いてきた。人は働いた対価をもらうと活力が湧いてくるので、何歳まででも働くことをおすすめする」という――。

※本稿は、蛭子能収『死にたくない 一億総終活時代の人生観』(角川新書)の一部を再編集したものです。

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有り金はほとんどギャンブルにつぎ込んできた

世の中には年金や生活保護といった制度があって、状況によって頼ることは大切なことです。ただ、僕の場合は、生きていくためには「自分でお金を稼がなければならない」と本能的に思ってしまうようです。というか、いまの年金制度だけで生きていけるはずはないと多くの人は疑っているし、現役世代の人ならなおさら、将来を考えるととても信用できないシステムかもしれません。

ただし、死んだら、お金ってどうすることもできないという事実がある。

どれだけ貯め込んだとしても、実際に使わなければお金の意味って生まれませんからね。

だから僕はこれまで、とにかく持っているお金は生きているうちにすべてなにかに……ほとんどギャンブルですけど、それにつぎ込む方針で生きてきました。

じつは、僕はいま自分がどれだけの貯金を持っているかも知りません。

そんなことを打ち明けるとびっくりする人も多いでしょう。すべてを妻にまかせ管理してもらっているので、僕はそんなことすら知らずにいるのです。