瀕死状態のアパレルを救う起死回生策

ここ数年、アパレル不況を憂う報道が相次いでいる。

ディマンドワークス代表 齊藤孝浩氏

「業界が生き抜くには、スマホの普及や通信速度の高速化など、技術革新の恩恵を享受するのは企業ではなく、消費者であることを自覚しなくてはいけません。そのうえで、消費者にとってのメリットを最優先して模索することが、活路となるはずです」

齊藤孝浩氏は欧州ブランドの日本法人やアパレル専門チェーンなどに勤めたあと、在庫最適化や人材育成を支援するコンサルタントとしての活動を開始。2014年には、不況のなかで売り上げを伸ばし続けている2社の強さを徹底分析した『ユニクロ対ZARA』を上梓し、話題となった。

「日本のファッション市場では、流通革新が10年周期で起こってきました。90年代後半には、ユニクロのフリースブームに代表される低価格品の品質向上が、00年代後半にはH&Mの日本上陸をはじめとした『ファストファッション』ブームが起こりました。その結果、単価の安い服がクローゼットにあふれかえるようになったのです」

業界の過去の話を書いた『ユニクロ対ZARA』に対して、『アパレル・サバイバル』では未来を提示したと、齊藤氏は話す。