まったく当てにならない「復旧の見通し」

9月8日から9日にかけて関東地方を襲った台風15号による千葉県の大規模停電は、10日余りたった9月19日になっても3万戸以上で復旧しておらず、住民は電気のない生活を余儀なくされている。停電から数日は猛烈な暑さとなり、冷房が動かないために熱中症になる人が続出するなど、二次被害も広がった。

そんな中、停電地域の住民の怒りを買ったのが、東京電力の復旧見通しの発表がまったく当てにならなかったことだ。52万戸が停電していた10日の段階で、東電は「復旧は11日以降」としていたが、11日になって「被害が想定以上で、見通しが甘かった。復旧は13日以降になるが、1週間はかからない」とした。その段階でも38万戸が停電したままだった。

写真=時事通信フォト
2019年9月13日、台風15号の影響で発生した千葉県での大規模停電の復旧見通しについて記者会見する東京電力パワーグリッドの塩川和幸技監(左)と持田明彦配電部長代理

ところが、13日になると「復旧は最長で27日ごろ」と再修正した。「経験したことのない規模の倒木で現場に入れず、復旧作業に時間がかかっている。過小な想定をしていた」というのが理由だった。この時点で17万戸が停電していた。

確かに被害は予想を超えるものだった。千葉市では最大風速35.9メートル、最大瞬間風速57.5メートルを観測するなど、猛烈な風が吹き、記録的な暴風雨となった。千葉県内では、住宅などの屋根瓦などが飛ばされる被害が続出した。