「若い女子が大騒ぎをする朝礼がある」との噂を聞いた。駆けつけてみると、確かに15歳から30歳までの女子22人が朝から大声を出して元気よく朝礼をやっていた。

女子のパワー全開! 全体朝礼では耳が痛くなるほどの大音声が響く。日本一元気な朝礼だろう。

女子のパワー全開! 全体朝礼では耳が痛くなるほどの大音声が響く。日本一元気な朝礼だろう。

彼女たちは、東急東横線・学芸大学駅近くの理容店「おしゃれさろんナカガワ」の従業員。毎日、系列の3店舗で開店前に5分間の朝礼を行っているが、月1度は研修会場に集合し、20分ほどの全体朝礼も実施している。おおよその内容は次の通り。

(1)円陣を組んで、気合を入れる。

 (2)ナンバーワン宣言
 各従業員が「自分の目標、願望」を発表する。たとえば「元気づける女日本一の柳笑美里です」とか「燃える女日本一の沼里聡美です」と自己紹介し、他の参加者は「よろしくお願いしまーす」と大声で相槌を打つ。

(3)スローガン唱和
「1に掃除、2に磨き、3・4に愛情、5に輝き」「右手にほうき、左手に雑巾」といった、従業員が自ら考えたスローガンをいくつも唱和していく。

(4)ハイ訓練&声出し
 最後に全員で、踊りと手拍子で「ハイ、ハイ、ハイ」「ハッピー、ハッピー」「ラッキー、ラッキー」などの前向きになる言葉を大声で唱える。

朝礼の20分間はつねに大声が飛び交い、文字通り「大騒ぎ」だった。女子従業員の声はすさまじいボリュームで、そばで聞いていた私は耳鳴りがした。

同社創業者の長男で、マネジャーの中川浩志氏はこう語る。「居酒屋『てっぺん』さんの『本気の朝礼』というDVDを拝見して、うちでも元気が出る本気の朝礼をやろうと3年前から始めました。大声を出す朝礼を導入してからは、みんなストレスが発散され、体調がよくなったと言っています」

同店は女性技術者だけの店である。女性のエネルギーを痛感する朝礼だ。

(尾関裕士=撮影)