米国で相次ぐ、銃乱射事件。国民は怒りを露わにする。しかしトランプ大統領は全米ライフル協会の肩を持つ。そんなトランプが大統領選で勝ちそうなのは、なぜか。
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誰もが、ヒラリー・クリントン氏が勝つと信じていた米国大統領選挙から3年。ドナルド・トランプ大統領は再選に向けて動き出している。米共和党に食い込む、国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏が最新情勢を解説する――。

バイデンを潰す民主党の愚行

ドナルド・トランプ大統領の再選阻止に向け、米民主党側の対抗馬を選出する予備選挙が本格化しつつある。しかし、民主党にとって望ましいものとは言えない。

最有力候補者はジョー・バイデン前副大統領である。同氏はトランプと本選で戦った場合の支持率調査で他候補者と比べて強い数字を出しているが、同時に党内のライバル候補者からの集中砲火を浴びている。特に、党内左派からの同氏への攻撃は熾烈なものがあり、過去に選挙の応援演説時に同党女性候補者の髪の匂いを嗅いだことが#MeToo運動に絡めて非難されたことを皮切りに、TV公開討論会では人種差別主義者のレッテルを貼られるまでになっている。つまり民主党は、トランプに最も勝てる可能性がある道を自ら葬り去ろうとする愚行を冒している。