「重要な仕事ではない」「誰かが出る」

新入社員が電話に出ない。そんなとき、どうすればいいのでしょうか。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/byryo)

実際に何人かの新入社員に話を聞いてみると、こんな理由を述べていました。「重要な仕事ではないから」「自分とは関係ない」「忙しくて出られない」「誰か出るでしょう」。先輩からすると気に障るかもしれませんが、ジェネレーションの違いも考えなければいけません。つまり、若い人ほど電話に馴染みがないのです。

言ってしまえば、コミュニケーションの前提条件を共有していない他者を、目の前で相手にしているのです。前提を共有してもらうためには、教育しかありません。電話対応研修を行う際にも、闇雲に「とにかく○コール以内に取れ!」と押し付けるのではなく、電話を取る「意義」を知ってもらうプロセスが必要です。

さらに言うと、電話に出ないのは、「自己肯定感が低い」という理由が考えられます。「重要な仕事ではない」「誰かが出る」と考えてしまうのは、自分が誰かと話すのが面倒だったり、コミュニケーションが怖い、やり取りで失敗することへの不安があるせいで、問題から目をそらす。自信を喪失した際に、やらない理由ばかりを求めてしまった経験は誰にもあるのではないでしょうか。

まず、自己肯定感を高めるには、「誰かの役に立っている」という貢献感が必要です。つまり、電話に出ることなんて大した仕事ではないという思い込みに対し、その電話対応が、仕事として会社に、一緒に働く人たちのためになっているときちんと意義を説明してあげること。度々「ありがとう」と、貢献への感謝の気持ちを言葉にすることも大切です。