自分の強みはどうやって見つければいいのか。事業家・思想家の山口揚平氏は「人生の幸福を決める要素の半分は、自分の天才性に気づき、発揮しているかどうかだ。天才性に気づくには『自分とは何か』の定義を深めていく必要がある」という――。

※本稿は、山口揚平『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「天才性」に気づくかで幸福の半分は決まる

※写真はイメージです。(写真=iStock.com/forplayday)

私は常々、人生の幸福を決める要素の50%は自分の天才性に気づき、それを発揮しているかどうかだと思っている。残りの半分は人によっては快楽かもしれないし、安らぎかもしれないし、アドレナリンかもしれないが、少なくとも50%は「天職」に就けているかどうかだと思うのだ。

冲方丁の『天地明察』(角川文庫)という小説がある。江戸時代前期の天文暦学者、渋川春海が数学や天文学とひたすら格闘し失敗を続けながらも、最後には暦を作るというストーリーだ。

この小説の冒頭は、「幸福だった。」という1行から始まる。ことごとく失敗をくり返した人生だったが、幸福だったと。それは渋川春海が数学や天文学という自分の得意な世界で天才性を発揮し続けることができたからである。

もし就職や転職を考えている人がいたら、自分が果たして何を得意としているのか、自己分析に徹底的に時間をかけるべきだ。

安易に社会に出るとAIにこき使われる

私は先にも書いたように事業家として事業を興し、売却したが、事業を行うこととFXをすることはいずれも基本的にギャンブルである。でも違いはある。それは自分の天才性を含む「凹凸」という個性に着目し、多少なりとも他者よりも優位な状態で戦ったことにある。事業や仕事でも当然、運の要素は強いが、それでもやはり自分の凹凸に当てはめたほうが単純に勝率は高くなる。

一つひとつ読み解いていけば、必ず原石はある。それを見えづらくしているのは貨幣経済やタテ社会という重石だが、社会については及第点をとっておけば良い。

先ほどいち早く天才性に気づけと書いたが、逆に言えば自分の天才性に気づくまでは安易に社会に出てはいけない(もし安易に出てしまったら一度、社会から逃げて考えても良い)。特に日本では新卒の価値が高いので、できるだけ長く大学に留まりながらいろいろな経験をしたほうがいい。天才性に気づく前に社会に出てしまうと信用力を稼ぐ原資もないまま、ただただAIとロボットにこき使われるだけである。年齢は関係ない。私自身、いつだって自分はどこに取り柄があるのか、毎日探している。

アマゾンの倉庫ではかつて商品をピッキングしていた人たちがロボットにそのポジションを奪われた。今その人たちは、自分の仕事を奪ったロボットが正しく安全に動作しているかどうかの監視をしているという。しかし当たり前だが監視はロボットの得意分野であり、近い将来、その仕事も奪われる運命にある。