世の中には2種類の人間がいる。誰とでも仲良くできる人と、そうでない人である。後者のタイプを自認する広告プランナーの吉田将英氏は「自分が居心地よく感じられる人を大事にできればそれでいい」という――。

※本稿は、吉田将英『仕事と人生がうまく回り出すアンテナ力』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

情報も人間関係も「必要なもの」「欲しいもの」だけ集める(イラストレーション=中尾仁士)

「誰とでも仲良く」という共同幻想

世の中には誰とでも仲良くできる人と、できない人がいます。

僕は、どちらかというと後者のタイプ。でもいつしか、それを悪いことだとは思わないようになりました。

別に全員を大事にできなくてもいい。こういうと高慢に聞こえそうだけれど、自分が居心地よく感じられる人を大事にできれば、それでいいかなと思うのです。

そのためにも、

●自分はコミュニケーションスタミナの多い社交的人間なのか、コミュニケーションスタミナの少ない内向的人間なのか、まず自覚すること
●「内向的人間だな」と思ったら、人と無理して付き合おうとしないこと

これもまた、人とラクにつながるアンテナを張るためのルールです。

そもそも、無理して付き合っている相手には、あまりいい印象を与えないものです。それどころか、ほとんど印象に残らない場合も多い。

人付き合いを一種の「費用」と考えれば、自分が負担を感じる人付き合いは、とても費用対効果が低いのです。

人間関係は切ってもいい

となれば、「居心地のいい人」と付き合うにはどうしたらいいでしょう。

ここでも、やはり「自覚」が大事です。「こういう人とは仲良くしたい」「こういう人とはなるべく付き合いたくない」というふうに、自分にとって居心地のいい人と、そうでない人を言語化しておきます。

アンガーマネジメント(怒りをコントロールするための心理プログラム)では、自分の怒りのトリガーになるものを明確にするステップがあります。このステップを経ることで、怒りが湧いてきやすい状況や場面を自覚できるようになります。

これを応用して、何が自分に「この人、いいな」「この人、嫌だな」と感じさせるトリガーになるのかを、「感情」ではなく「思考」で整理しておくというわけです。

なかには、仕事上の関係など、苦手な人とも付き合わなくてはならない場合もあるでしょう。

でも一方には、「切ろうと思えば切ってもいい関係」も意外と多いものです。

それなのに、人付き合いをすべて一緒くたにして、「誰とでも仲良くしなくてはいけない」なんて思っていては、自分がどんどん苦しくなるだけです。