グリーやNTTドコモの投資会社から出資を受け、人気のカメラマン派遣サービスがある。創業から4年で1万5000組が利用し、SNSでも次々シェアされる。経営者はカメラマンで、大学3年で起業した笑顔の似合う青年だ──。
ジャーナリストの田原総一朗氏とラブグラフ代表取締役社長 駒下純兵氏

高校時代は帰宅部。大学3年で学生起業した

【田原】駒下さんは、全国にカメラマンを派遣するサービス「ラブグラフ」を運営されていると聞きました。もともとは、どこのお生まれですか?

【駒下】大阪の城東区です。大阪城公園のあるあたりで育ちました。

【田原】中高生のころからカメラに興味があった?

【駒下】それが趣味も特技も何もなくて。部活は中学で野球部でしたが、高校は帰宅部でした。

【田原】帰宅部? 何する部活ですか?

【駒下】本当の部活ではなくて、どこの部にも所属せず、授業が終わったら家に帰る人たちのことを「帰宅部」っていうんです。僕も学校の帰り道にラーメン食べたりアルバイトしたりしていました。

【田原】高校のときにカナダにいらっしゃってますね。

【駒下】関西大学の附属校に通っていたので、大学受験は早めに終わりました。時間がたっぷりあったので、いとこが留学していたカナダのトロントに1カ月くらい行ったんです。学校に通ったわけではないので、留学ではありません。いとこに連れていってもらって観光地を回ったり、いとこが学校に行っている間は1人で街に出てぶらぶらしていました。

【田原】カナダで何か得るものはありましたか?

【駒下】はい。ナイアガラの滝など、観光地を回って写真をいろいろ撮りました。カメラはiPhoneで、技術も何もありませんでしたが、思いのほか楽しくて。写真を撮るのはおもしろいんだと初めて気づきました。

【田原】そのとき将来はカメラマンになろうと?

【駒下】いえ、このときは全然。大学も社会学部に進学しました。心理学やジャーナリズムなどいろいろな分野を学べそうな気がして選んだのですが、カメラマンになろうとは考えていなかったですね。