「姉の希望がかなう形になってほしい」

まさに「佳子の乱」である。

秋篠宮佳子さんが国際基督教大学を卒業するにあたって、記者団からの質問に文書で回答した。

質問の中には、姉の眞子さんの結婚問題についても尋ねていたが、おそらく記者たちも、「姉の幸せを祈っています」程度の内容だと高をくくっていたに違いない。

だが、佳子さんは、結婚は当人の気持ちが大事、姉の希望がかなう形になってほしいと思うと、回答してきたのである。

「千葉県少年少女オーケストラ東京公演」の鑑賞に臨まれる秋篠宮家の長女眞子さま、次女佳子さま=3月24日、東京都港区のサントリーホール[代表撮影](写真=時事通信フォト)

その上、姉の婚約延期以来、週刊誌や新聞、ワイドショーなどで、おびただしい出所不明の憶測情報が垂れ流されたことについても、「情報の信頼性や情報発信の意図などをよく考えることが大切だ」と鋭く批判したのである。

皇族がここまで自分の意見を率直に口にしたのは、「浩宮の乱」といわれる皇太子の会見以来であろう。

今回の発言は2004年の「浩宮の乱」に匹敵する

2004年5月10日、欧州歴訪前の記者会見で皇太子は、「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」と述べ、宮内庁の雅子妃に対する陰湿なやり方を批判し、大きな衝撃と波紋を広げた。

今回の佳子さんの発言は、それと匹敵する、否、秋篠宮家の次女という立場を考えると、それ以上の覚悟と強い意志があったはずである。

NHKなど報道各社がウェブ上で全文を掲載している。かなりの長文である。一部を紹介したい。まずは、大学を卒業するにあたっての感想から。

「大学卒業を迎え、学生生活が過ぎるのはあっという間であったと感じております。また、恵まれた環境で過ごせたことを大変ありがたく思っております。

学習院大学では、約1年半、教育の分野を学びました。国際基督教大学では、英語で学ぶことも含め、幅広い分野を学び、最終的に心理学を専攻いたしました。一つの分野を集中的に学ぶことも、幅広く学ぶことも、どちらも非常に意義のある経験であったと感じております。

学業以外では、仲良くなった友人達と一緒に食事をしながら会話を楽しむなど、どちらの大学でも思い出深い学生生活を過ごすことができました」