「1人では入りづらい」という問題をクリア

消費は、所有価値としてのモノ消費から、体験価値としてのコト消費へと移行しているといわれるが、石原氏も有馬氏も、孤独ビジネスは体験型が支持されていると指摘する。両氏が注目する事例を紹介しよう。

2016年に大ヒットした『この世界の片隅に』はクラウドファンディングで資金を集めた(主人公の声優を務めた女優ののん氏と片渕須直監督)。(時事通信フォト=写真)

▼「焼肉ライク」
1人で気軽に行ける焼き肉レストランで、1人用の無煙ロースターで好きな部位、量、タレを自由に選んで味わえる。「1人で焼き肉店に入りづらい」という問題をクリアした。

▼「相席屋」
女性客と男性客が相席する居酒屋。ポイントは、客同士のコミュニケーションツールとして、相性診断ゲームなどができる専用アプリを開発したこと。これを話のネタにして会話が弾めば、滞在時間も延び、客単価向上やリピートにつながる。

▼「カーブス」
男性の目を気にせず、手軽に運動や会員同士の交流ができる女性専用のフィットネスクラブ。スタッフも女性のみで、会員の6割超が60歳以上。口コミで広がり、利用者が増えた。またフィットネスジムが人と人をつなぐ場にもなっている。

▼「ワンカラ」
誰にも気兼ねすることなく、1人の時間を楽しめる1人カラオケ専門店。常につながっていることによる“SNS疲れ”から1人になりたいというニーズに応えているのも、ヒットの要因の1つだ。