残業時間を減らし、生産性を上げようと各社が取り組む「働き方改革」。改革で本当に働き方は変わったのか。今回は現場で働く管理職&若手社員の実態を調査した。彼らの抱える悩みに働き方改革の先達が回答する。

若手の肩代わりをする管理職の皆さんへ

いま多くの企業が残業時間を削減する方向で動いています。すると残業規制のかかっている若手の仕事を管理職が肩代わりしなければならなくなり、大変だという声も聞こえてきます。これは仕事の量ややり方を変えずに、働く時間だけ減らしたことで起きている現象です。そもそもの働く時間が減っているのですから、仕事の量も減らすべきなんです。

サイボウズ代表取締役社長 青野慶久氏

仕事が減ると売り上げが減って困ると言うかもしれません。それなら仕事のやり方を変えればいい。ITをフル活用したり、無駄な業務をやめたりすればいいのです。

これまでサイボウズでは新しい取り組みを導入・検証してきました。その1つに、お客さんとの仕事のやり取りのルールを変えるというものがあります。

たとえば金曜日の夕方にお客さんから「今日中に見積もりを出してほしい」と連絡が来たとします。そこでやりますと言ってしまうと間違いなく残業になる。そこで、夕方遅い時間に来た依頼は断っていいよというルールにしたのです。もちろんお客さんにも「前の日までに依頼してくれれば、翌日、見積もりを出します」と伝えています。するとお客さんも「次は見積もりを早めに依頼します」と仕事のやり方を変えてくれるのです。とはいえ、それでも夕方になって見積もりを要求してくるお客さんがいます。それは断ってかまいません。もし断ってお客さんが離れてしまってもそのお客さんがライバル会社に流れてくれれば、ライバル会社が困るだけですから(笑)。

サイボウズでは帰社時間も若手、管理職関係なく、帰りたい人は帰ります。あえて「帰れ」とも言いません。残って仕事をするのも帰るのも自己判断。遅くまで仕事を続けるのは命じられたからではなく、自分がやりたいから。自分が好きで仕事を続けているうちは、それほど問題ないと思っています。いけないのは精神的にも肉体的にも追い込まれた状態で仕事を続けること。そのために本人が元気かどうかはチェックしています。

働き方改革のポイントは誰かが歯を食いしばって頑張る「我慢の文化」をやめること。特に、中間管理職である課長が頑張ってしまうので経営者が甘えるんです。若手を早く帰して自分に負担がくるようであれば課長も若手と一緒に帰ってしまえばいい。それで会社が回らないのは、何かがおかしいのですから。