日本企業がアメリカに進出したり、海外企業が日本法人をつくったりすることが当たり前になってきた今でもなお、会社のリーダーや社員は文化の違いに直面する。どうしてここまで日本は欧米の企業文化と馴染みあえないのか。日本の政治家の外国人秘書第1号で、現在は海外企業日本法人などにコンサルをしているティモシー・ラングリー氏に聞いた――。

ソニーが国際的企業でなくなった理由

日本とアメリカにおけるリーダーシップの違いは明らかです。アメリカにおけるリーダーとは、強く、格好良く、他人の意見は聞きながらも自分の責任を持って意思決定を下すことのできる人物です。一方、日本のリーダーに求められるのは、優しく、空気が読め、皆の意見をうまくまとめることのできる人物像でしょう。

ラングリー・エスクァイア社長 ティモシー・ラングリー氏

日本のリーダーが海外へ行っても、アグレッシブさが足りないと認められません。反対に、海外のリーダーが日本へやってきても、強引だと反発を招いてしまうことになります。

私は、かれこれ40年にわたって日本とアメリカを行き来してきました。現在、主な業務となっているのが、外資系企業が日本に参入する際、日本のビジネスや政治の文化を教えてサポートするというものです。

外資系企業が日本に進出する際、どんな問題、摩擦が起こってしまうか。実は、問題自体は複雑ではありません。私の経験則上、18くらいの項目に分類できてしまいます。情勢、金融、人材確保、取締役会……。その中でも、どの企業も頭を悩ませることとなるのが人事です。

半世紀以上営業している日本コカ・コーラですら、「日本産」の企業になったとは言えません。意思決定を行う幹部クラスの外国人と、現場の日本人スタッフの間に、意識の乖離があるからでしょう。

すべては、日本のビジネスが独自の文化に基づいており、諸外国から隔絶していることに起因しているのではないでしょうか。

海外の企業は、こうした文化の違いのために日本への進出をためらったり、実際に進出してもうまくいかなかったりするのが現状です。