プレゼンや交渉上手な人は何が違うのか。コクヨのワークスタイルコンサルタント・下地寛也氏は「聞き手の心をつかむには、プレゼンの語彙力が必要。いつもの言い回しを少し変えるだけでいい」という――。

※本稿は、下地寛也『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)を再編集したものです。

YESを引き出すプレゼンの語彙力

ビジネスパーソンといえば、様々なプレゼンを耳にする機会があるでしょう。そしてその中には、同じようなことを言っているにもかかわらず「眠くなってしまうプレゼン」と「思わず聞いてしまうプレゼン」があるのを感じていることと思います。

その差は「プレゼンの語彙力」にあります。英語の語彙を身に付けると外国人と話ができるようになるのと同様、プレゼンの語彙力を磨けば、あなたのプレゼンは面白いように聞き手の心をつかみ、YESを引き出せるようになります。

最初にお勧めしたいのは、「ランキング化する」という方法です。

これまでのプレゼンで、「数多くある課題や不満」などを紹介するとき、あなたはどんな風に伝えていたでしょうか? 「ユーザーの不満はたくさんありますが……」とか、そんな表現をしていませんでしたか? これだと、相手は眠くなってしまうかもしれません。

イラストレーション=たかだべあ

そこは、「ユーザーの不満はたくさんありますが……」ではなく、「ユーザーの不満、トップ10! まずは10位ですが……」が正解です。これが、ランキング化です。

プレゼンでは「トップ3」に絞る

テレビでも雑誌でも、ランキングのコーナーは人気です。

「トップ10を下から紹介しますね」と言っただけで、聞き手は「絶対1位はあれだな」とか、「自分が思っているのは何位だろう?」などと思いながら話を聞いてくれます。

また、「トップ3」「トップ5」「トップ10」など順位をつけることで、情報が整理されている印象も与えられます。さらに、ランキングは雑談のネタになるので、聞き手が覚えようとしてくれるのです。

ランキングの数をいくつにするのか悩ましいですが、プレゼンではトップ3くらいに絞った方がいいと思います。トップ10にするのなら下位は省略したり、軽くふれる程度でいいでしょう。

ランキング化する際は、必ずしもしっかりとした調査をする必要はありません。

「私が選ぶ初心者にオススメの登山スポットベスト5」とか「私が接した困ったお客さんトップ10」など、自分の経験をランキングにすれば、誰でも簡単につくれます。