「歩けば歩くほど安くなる生命保険」はお得か

全世帯の9割以上が加入している生命保険(生命保険文化センター調べ)。

写真=iStock.com/Satoshi-K

日本は「終身型」の人気が高く、長期で加入し続けることが多い生命保険は「人生で家の次に高い買い物」と呼ばれています。保険料は年齢が高くなればなるほど上がっていくのが一般的ですが、実際の健康リスクは個人によって異なるため、例えば「年齢は高いが健康な人」は割高な保険料を払う傾向にありました。

そこで登場したのが、リスク細分型保険です。リスク細分型といえば、自動車保険が思い浮かびますが、生命保険でも活用されています。

例えば、メットライフ生命の“スーパー割引定期保険”は、喫煙の有無、BMI、血圧などによって保険料が変動する仕組み。40歳男性(170センチ、70キロ)が2000万円(65歳満期)で加入する場合、喫煙者は月額8900円ですが、非喫煙者は5960円と、3割近く安くなります。

このように、健康で自己管理ができている人なら、リスク細分型保険はかなりお得なのですが、不健康な人にとっては、単なる加入のハードルが高い保険です。

そこで「今までは自堕落な生活をしていたが、これから悔い改めて健康な生活を送りたい」という方には、住友生命の“Vitality”のような、健康増進型保険も選択肢の1つかもしれません。

これは同社の“1UP”や“ドクターGO”などの対象商品に付加するオプションのような制度。保険料とは別に月額864円の利用料金を払う代わりに、保険料が15%引きの状態からスタートします。

保険料は毎年、保険加入後の生活習慣や定期健診の結果、毎日の歩数、喫煙習慣などを参照して変動する仕組みです。

例えば、健康診断の結果を提出し、BMIが会社の定める数値以内だった場合は2000ポイント、大腸がんの検診を受けると1000ポイントと、ポイントがたまります。