年齢を重ねると増えてくる体の変調。突然のそのとき、どこの病院に行き、どんな医師を訪ねるべきなのか。9つのポイントで検証した。第4回は「クチコミvsランキング」――。

※本稿は、「プレジデント」(2018年12月31日号)の掲載記事を再編集したものです

よい病院が見つかる、情報収集術とは

病気になったとき、どの病院を受診すればよいのか。がんなどの重い病気の場合、生死にかかわるだけに特に頭を悩ませる。病院ランキングのほか、身近な人のクチコミやネット上にも多くのクチコミ情報があふれている。何を基準に病院選びをするのがベストなのだろうか。

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「クチコミとランキングにはそれぞれメリットとデメリットがあり、症状の種類によって使い分けるとよいでしょう。ただ、ネットのクチコミ評価には十分な注意が必要です」

こうアドバイスするのは、医師であり、クリニック向け診療支援ウェブサービスを提供するメディ・ウェブ代表取締役会長の楊浩勇氏だ。

「ネットのクチコミ評価は匿名性が高く、医師や病院に強い不満を持っている人ほど積極的に書き込みをする傾向が見られます。私たち医療者から見ると、難しい病気や症状を扱って患者さんが多く混んでいるクリニックや、とても真面目な先生ほど、そんな批判的な書き込みに悩まされがちです。というのも、情熱のある先生は、患者さんに丁寧に食生活や運動などの生活習慣の指導をします。しかし、そういうことに慣れていない患者さんは、不満を感じやすいのです。上から目線で指図されたと感じてしまい、それでネットに批判を書き込みます。だからネット上のクチコミ評価が低いというのは、必ずしもアテになりません」

これはグルメサイトのクチコミ評価と似ている。店のよしあしと星の数は必ずしも一致しない。食事ならまだしも、医療の場合、患者がそうした評価に左右されるのは大きな問題といえよう。