わが国の離婚件数は毎年21万件。なぜ男女はすれ違うのか。心理カウンセラーの五百田達成さんは「男と女のコミュニケーションは決定的に違う」という。「プレジデント」(2019年2月18日号)の特集「人を動かす言葉大全」より、記事の一部をお届けします――。

わがまま妻、ぐうたら亭主への話し方

愛し合って結婚したものの、生活を共にするにつれ浮かび上がる相手の欠点、価値観の違い。あー、イライラする、腹が立つ、とササクレだっていませんか?

写真=iStock.com/monzenmachi

「男と女のコミュニケーションは決定的に違う」と男女の心理に詳しいカウンセラーの五百田達成さん。

「たとえて言うなら、ロシア人になぜ日本語をしゃべらないのだと言っているのと一緒。向こうには向こうの言葉があります。それを踏まえて日本人も『スパシーバ』、ロシア人も『アリガトウ』と、互いに歩み寄ることが大切なのですが、同じ人間なのだから通じるはずと思い込んで、それぞれ勝手にしゃべり、全然通じないと怒っているのが男女のコミュニケーション」

一緒に生活していれば、当然、不満は生まれる。それをどのように相手に伝えればよいのか。どう話せばケンカにならずに、改善を促せるのか。

「妻を動かす話し方と夫を動かす話し方は根本から異なります。これを間違うと火に油をそそぐことになりかねません」(五百田さん、以下同)

たとえば、夫や妻の「片付け」や「お金」のルーズさへの不満。だらしない男もいれば、だらしない女もいる。

片付けが下手な妻にはどう伝えればよいのか。五百田さんは、夫は妻を社長だと思って接すべきで、そのほうが家庭はうまくいくと言う。

「基本は夫が自分でやる姿勢を見せること。間違っても『これ、片付けて』などと上から目線で言ってはいけません。『これ、しまってもいい?』と妻の許可を得ながら自分で片付ける。片付いているという状態の感覚は人によって違います。夫が散らかっていると感じても、妻は片付いていると思っているかもしれませんから、黙って片付けるのはよしたほうがいい。『このへんスッキリしたら、きっと気持ちいいよね』と、妻の感情に訴えるのが基本です」

感情に訴えるのでも「ここ散らかっていて気分が悪いよね」など相手を否定する言い方は逆効果なので要注意。

逆に妻が、夫に整理整頓してほしい場合は、具体的なタスクとして明示すべきだと五百田さん。

 

 

※「プレジデント」(2019年2月18日号)の特集「人を動かす言葉大全」では、「企業トップに聞く『言いにくい話』の伝え方」、「《トクする人vs残念な人》言葉力比較」など、伝わる、好かれる、味方がどんどん増える“言葉のテクニック”を集めました。ぜひお手にとってご覧ください。