韓国政府を攻めるための「直接証拠」である電波情報を開示せず、ウヤムヤのままレーダー照射事件の幕引きを図る安倍政権。これでは日本側の完敗だと橋下徹氏は憤る。では、どうやれば外国政府とのケンカに勝てるのか? 大阪府知事時代の経験を公開する。プレジデント社の公式メールマガジン「橋下徹の『問題解決の授業』」(1月29日配信)から抜粋記事をお届けします――。

電波情報を開示できないなら日本側は完全敗北

韓国海軍による海上自衛隊機に対しての火器管制レーダー照射事件が全く収束しない。

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※写真はイメージです(写真=iStock.com/Chris Ryan)

前号でも論じたとおり、裁判所のような第三者機関で最終判断をしてもらうケンカではなく、当事者間で最終決着をしなければならないケンカのときには、相手が絶対に反論できないような証拠、すなわち事実を直接示す「直接証拠」を突き付けるしかないんだ。

日本側は、韓国側の火器管制レーダーを受けた際の「音」を公開した。しかしこの「音」は火器管制レーダーを日本側が音に「変換したもの」で、まだ間接証拠だ。案の定、韓国側は「不明瞭な機械音に過ぎない」と反論してきた。

だから、僕は、「日本側は電波情報そのものを公開するしかない」と言い続けてきたんだ。

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そしたら日本側の岩屋毅防衛大臣は、未来志向を考えて火器管制レーダー問題はもう取り上げないと、事実上の終結宣言を出してしまった。

これは、ある意味、日本側の完全敗北だ。こんなことになるなら、初めからケンカを吹っ掛けなければよかった。

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