「男でもサンリオが好きだと、堂々と言える世の中になってほしい」。お笑い芸人「馬鹿よ貴方は」の平井“ファラオ”光さんは、そう力説する。ただしハマってからは1年足らず。「サンリオ好きを商売にしようとしている」との疑惑もかけられているが、「僕よりサンリオに詳しい人は芸能界にいない」という。なぜそこまでハマったのか――。
ファラオさんと、“最推し”キャラクターのクロミちゃん(私物)

ツッコミどころの多さに気づく

お笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」のボケ担当・平井“ファラオ”光さんが今、サンリオにのめりこんでいる。日々ツイッターでサンリオ愛を爆発させまくっているのだ。もともとの趣味は「古代エジプト」「日本画」「ハードロック」と渋めの34歳男性が、なぜ日本が誇る“キング・オブ・ファンシー”に魅了されているのか。

ファラオさんのツイッターより。

「たまたまサンリオのウェブサイトを見ていたときに、キャラクターを年代順に並べたページを見つけたんです。まず、そのなかで最初のほうに出てくるバニー&マッティというキャラクターのかわいさにドキュンと来た。さらにいろいろ見ていったら、かわいいだけじゃなくて設定がボケているキャラクターがすごく多いことに気づきました」

「例えば、象が自転車に乗っていて、名前が『ゾウ自転車』というキャラクターがいるんですが、プロフィールには『サイクリングも趣味のひとつ』と書いてある。名前に『自転車』って入ってるのに、あくまでサイクリングは趣味のひとつって、おかしいじゃないですか。しかも『自転車』が『ゾウ』のあとに来ているということは、もしかしたら自転車が本体の可能性もある。これ以外にも、ツッコミどころのあるキャラクターがたくさんいるんです。それに気がついてから、ズブズブとハマっていきました」

「現実を忘れさせてくれる」

取材時には多くのグッズを持参し、「これを見てください」と説明が止まらない。何がそんなに心をつかんでいるのだろうか。

「『はじめてのおつかい』を観て感動する感覚に近いかもしれません。かわいらしいキャラクターたちが一生懸命いろいろなことをやっているという、それだけでこみ上げてくるものがあるんです。見ているうちに感極まって、本当に涙が出てくることもあります。『世の中がこうだったらいいのに』という、理想の世界がそこにあるんですよ。普段自分の生きている現実は汚いものやストレスにあふれているけど、サンリオはそれを忘れさせてくれる。だから本当は、むしろ大人のほうがハマる余地が大きいと僕は思ってます」