世界で拡がるキャッシュレス決済。韓国は約9割、中国やカナダ、イギリスでも5割以上が現金以外の方法で支払いをするという。日本で早くからQRコード決済を開始し、トヨタや大手金融機関とも提携するOrigamiの創業者に話を聞いた。
ジャーナリストの田原総一朗氏とOrigami 代表取締役社長 康井義貴氏

カナダ・トロント生まれ、ニューヨーク育ち10歳で東京へ

【田原】康井さんはカナダ生まれのニューヨーク育ちだそうですね。

【康井】父がカナダの銀行で働いていて、カナダのトロントで生まれました。2歳のときにニューヨークに初めて行きました。

【田原】家の中では英語ですか。

【康井】日本語です。現地校に通っていたので学校や友達とは英語。土日は日本人学校に通っていました。

【田原】お父さんは外資系の金融マンだった。

【康井】はい。ニューヨークでいろいろな会社の現地法人にいました。ちょうど日本に本格進出する銀行があって、10歳のときに東京に戻りました。

【田原】初めての東京はどうでした?

【康井】小学校で「前にならえ」を初めてやって、不思議な気持ちになりました。アメリカの小学校ではみんな胡坐をかいて床に座って、自由に授業を受けていました。身長の順に並ぶこともなかったし、おもしろいなと。

【田原】東京に戻ってからはどんなことをしていたのですか?

【康井】最初はインターナショナルスクールに行く予定でしたが、姉が中学受験で私立中学に入ったので、私も編入試験を受けて私立の学校に行くことに。そこからはスポーツ漬け。学校が終わると毎日、クラブに行ってテニスやアイスホッケーをやっていました。

【田原】当時からパソコンは使っていた?

【康井】小さいころから身近にあって触ってはいましたが、基本的にインドアより外に出て走り回るほうが好きだったので、パソコンにどっぷりハマりこむという環境ではなかったです。