年収2000万円なのに貯金が30万円。48歳のゲームプロデューサーの男性は、高年収にもかかわらず貯金がほぼない。原因はド派手な浪費癖と、離婚した妻子たちへの養育費。バツ2で、子供が6人。さらに7人目の子供ができたところで、ファイナンシャルプランナーのところに駆け込んできた。浪費男へのアドバイスとは――。

※この連載「高山一恵のお金の細道」では、高山氏のもとに寄せられた相談内容をもとに、お金との付き合い方をレクチャーしていきます。相談者のプライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/GeorgeRudy)

老若男女からモテる“人たらし”

最初にお会いした時48歳だった中山雄馬さん(仮名)は、ちょうど翌月にお子さんが生まれるタイミングでした。その子は彼にとって7人目の子どもで、母親である奥さんは3人目。つまり中山さんはバツ2で、1人目と2人目の奥さんとの間に3人ずつお子さんがいました。

子沢山なのもうなずけるほど公私にわたってエネルギッシュな中山さんは、老若男女からモテる“人たらし”といった雰囲気。仕事もできる方で、オンラインゲームのプロデューサーとして人気作を手掛けていました。アプリのダウンロード数やユーザーの課金状況に応じてインセンティブがあるそうで、年収は約2000万円。高給取りのトッププロデューサーです。

業界では名を知られたヒット請負人、家に帰れば良き父・良き夫であった中山さんですが、私のもとに来てくれた50歳目前の当時、貯金は30万円しかなく、資産と呼べるものも一切ありませんでした。人並み以上に働きバリバリ稼いでいた彼が、なぜ金銭的には瀕死状態だったのか。また、どのようにして貯金30万円から起死回生をはかっていったのかをお伝えしていきたいと思います。

銀座のクラブで一晩100万は当たり前

話を聞く中で見えてきた中山さんの金銭的失敗のひとつは、その刹那的な生き方にありました。

イケメンで社交的、仕事もできて人気者の中山さんは、どことなくバブルの残り香がするイケイケな方でしたが、お金に関してもドーン! バーン! と、ド派手な使い方をしていました。

銀座のクラブで一晩100万円を使うのは当たり前。週末になれば六本木のクラブを貸し切ってパーティを開き、ビンゴの景品としてブランド品をじゃんじゃん放出(※すべて自腹)。身につけるものはハイブランドで固め、車も時計も一流品。食事は朝以外ほとんど外食で、一人でご飯を食べたくないからと、食事の席には必ず部下や知人が同席し、中山さんがお会計を持つのが毎日ということでした。