お金の情報は「知れば得する・知らないと損する」というものが多い。今回、6つのカテゴリごとに、そんな「耳より話」を集めた。第4回は「マイホーム」について――。

※本稿は、「プレジデント」(2017年6月12日号)の掲載記事を再編集したものです。

▼国の補助金申請で手に入る省エネリフォーム代は215万円(※)

リフォームのコストを、少しでも下げるには?

「マイホームをリフォームしたい」「親の住む実家にガタがきているので改修を考えている」など、リフォームに興味を持つ人は多いでしょう。これからリフォームするなら、“省エネ”を意識した改修がおすすめです。

家のリフォームというと、間取りの変更や耐震補強、古びた部分の補修が通常ですが、省エネにつながる改修をすることで、建物の寿命を数十年単位で延ばすこともできます。さらには、月々の光熱費も減らせるのが嬉しいところ。

ただ、こうした改修には、それなりにコストがかかります。たとえば、家中に断熱材を入れる場合、何百万円もの出費を覚悟しなければなりません。エコ仕様の給湯器を設置するだけでも、30万~60万円は飛んでいくでしょう。

そんなとき頼れるのが、国からの補助金です。そもそも、日本には新築住宅を好む文化がありますが、今は中古住宅が余り、空き家の急増が社会問題化しています。今後は質の良い中古住宅を増やし、在庫を市場に流通させようというのが政府の方針。その一環として、中古住宅を省エネ化し、品質を向上させるリフォームには、補助金が出る制度が用意されています。

なかでも太っ腹な金額を補助してくれるのが「住宅省エネリノベーション促進事業費補助金」。経済産業省管轄で、取り仕切るのは、一般社団法人環境共創イニシアチブ(Sii)という団体。Siiが定める条件を満たす製品を用いて中古住宅を改修すれば、補助金が出るシステムです。具体的な対象は3カテゴリー。まず、壁や床、天井に断熱材を入れる、窓を二重ガラスにするなどの「高性能建材」では、補助対象費用(製品代金+工事費用)の3分の1以内で、最大1戸150万円の補助金が受けられます。エコキュート、エコジョーズなど「高効率給湯器」を導入すれば、同様に費用の3分の1以内、最大15万円の補助。家庭用蓄電池など「蓄電システム」では、1時間あたりの発電量に対して5万円、費用の3分の1もしくは50万円のうち安いほうが適用。

(※)高性能建材、高効率給湯器、蓄電システムの対象工事をすべて行った場合の、最大額。